競輪、楽しんでいますか?

5日に終了した川崎競輪「日本名輪会C・フラワーライン賞」は、S級が岩本俊介(36=千葉)、A級が高谷敏史(35=青森)、そしてガールズは奥井迪(38=東京)が優勝を飾った。

あひるポーズ? をつくる岩本俊介。強かった
あひるポーズ? をつくる岩本俊介。強かった

S級の岩本は松戸G3優勝、共同通信社杯(G2)決勝5着という近況の好調ぶりをそのまま持ち込み、3日間とも圧倒的な内容での完全V。今月のG1寛仁親王牌には出られないが、今の勢いなら11月のG1競輪祭で大仕事をやってしまいそうな雰囲気さえ漂う。常々「中村(浩士)道場での練習が実を結んでいる」と口にするが、同時に必ず「奥さんが栄養管理などいろいろサポートしてくれるおかげ」とつけ加える愛妻家。めっちゃ強かったぞ!

G1クラスのしぶとさを存分に発揮した坂口晃輔
G1クラスのしぶとさを存分に発揮した坂口晃輔

他では、その岩本の番手で競り勝って2着に入った坂口晃輔(32=三重)、決勝こそ慣れない番手戦でその坂口に競り負けたものの予選、準決でG1級スピードの復活を印象づけた近藤隆司(36=千葉)が光った。ともに今後の活躍に期待したい。

復活気配の近藤隆司。G1決勝に乗っていた当時のシューズに戻したことが大きいという
復活気配の近藤隆司。G1決勝に乗っていた当時のシューズに戻したことが大きいという

A級の高谷は今年2度目の優勝だった。以前も紹介したように、大病で2年以上も休みながら、不屈の闘志で克服し、よみがえってきた男。いよいよ、来々期の十数年ぶりとなるS級復帰が見えてきた。おめでとう!

復活といえば決勝こそ4着に敗れたものの、ベテラン法月成祐(46=神奈川)も堅実なさばきと鋭い差し足が目を引いた。一時はA級3班まで落ちたこともあったが、こちらも折れない心で立ち上がってきた。来期はS級復帰が確実視されており「チャレンジまで落ちた選手がS級に復帰するなんて、あんまりないでしょう。取り上げてくれませんか」と話していた。その時が来たら、またあらためて紙面にしたいと思う。

鮮やかなV字回復で久々の優勝を飾った奥井迪
鮮やかなV字回復で久々の優勝を飾った奥井迪

そして、ガールズも奥井の復活Vだった。予1(2着)でまくりを梶田舞に1車身近く差された直後は「弱過ぎる!」と吐き捨てるように話し、珍しく取材陣から遠ざかるほど悔しがった。

だが、予2は大本命の尾崎睦の先行をまくり、決勝は尾崎のまくりを合わせ切っての優勝と、鮮やかなV字回復。今開催から自転車を元の物に戻したことも奏功したのだと思うが、初日のレース後に岩本俊介にペダリングなどのアドバイスをもらったことも大きかったようだ。

3月大宮以来約7カ月ぶりの優勝だけに、今までとはひと味違う喜びだったはず。おめでとう!【栗田文人】