風光明媚(めいび)な佐世保競輪場がリニューアルされ、女子オールスターを開催することとなった。コロナ禍でどの競輪場も開催を躊躇(ちゅうちょ)する中、率先して競輪を引っ張ってきた場だけに、新たなスタートにふさわしい大会となることを願っている。

佐藤水菜(撮影・梅根麻紀)
佐藤水菜(撮影・梅根麻紀)

その中で実力NO・1は佐藤水菜だ。昨年から全てのG1を優勝する快挙を成し遂げた。脚力もさることながら、彼女は競輪観もしっかりしていると感じる。先日、立川競輪場でワールドシリーズが行われ、初日から外国人選手を圧倒し3連勝を飾った。

初日は外国人選手の実力が分からないので「競輪は強い選手の後ろがセオリーです」と位置取りもにおわせた。レースはマチルド・グロの後ろを終始回る展開。グロの実力を警戒しながらもお手並み拝見といった感じで後ろを回る。グロも世界王者の佐藤を強く意識しなかなか仕掛けず2角まくり。佐藤を後ろに置き悪い展開ではなかったが、その上を佐藤がまくる。「マチに警戒されて苦しかったけど勝ててよかった」と振り返る。この一戦で、優勝争いの流れは決まった。2日目以降、佐藤はグロを手玉に取って終わった。

あれだけの脚力がありながら、ねじ伏せる走りだけではなく、強い相手には競輪の基本をぶつける。ただ脚力があって世界王者になったわけではなく、そこにはレースへの深い考え方と、世界最高峰の脚力がかみ合った結果がある。今日のドリームもどんな勝ち方をするのか。その内容に注目したい。(日刊スポーツ評論家)