競輪、楽しんでいますか?
先日、静岡のイケメンレーサー松永晃典(46=静岡)に話を聞く機会があった。既に報道されており、ご存じのファンも多いと思うが、松永は昨年9月23日に心臓の手術を受けている。
「(2月の)地元記念あたりから力が入らなくなってきて、前(の選手)に簡単に離れるようになったんです。原因が分からなくて“コロナにかかったのかな?”と思ったぐらい。夏になると胃が痛くなってきて息苦しさもひどくなり、正直、パニックになりそうでした」と振り返る。
病院を3、4カ所回った結果、ようやく判明した原因は「心房細動」。不整脈がひどく、運動中も脈拍が130以上に上がらなくなっていた。「(病院の)先生から“選手を続けたいのなら、この方法しかない”と言われて」(松永)、約6時間にも及ぶ手術を受け、無事成功。発見が遅れていれば血栓が脳に流れるなどして命の危険もあっただけに「いい先生に巡り会えました」と感謝の気持ちを口にする。
10月から練習を再開し、今年1月29日の松戸で実戦復帰。「脈拍も160台後半まで上がるようになった。もちろんまだ不安もあるが、その中でも、やれていると思う」と、晴れやかな笑顔を見せた。
今はS級復帰を目標に定め、これまで以上に努力しているという。「これからもっと脈拍も上げられると思うし、筋力も戻りそうな感じがある。1、2年先には(S級に)戻りたい」と表情を引き締める。
そして、最後にこう締めくくった。
「若い選手たちには“もっと練習した方がいいよ”と言いたいですね。レースで走れることは本当に幸せなことだから」
松永の復活ロードを見守りたい。【栗田文人】