【大上悟・狙い打ち】

　関東ホットラインは平原康多が武田豊樹の番手で絆を証明する。昨年の岸和田ＫＥＩＲＩＮグランプリ（ＧＰ）で武田をＧＰ初戴冠に導いた平原は２月の全日本選抜決勝でも武田の前で果敢な先行勝負をした。ダービー決勝の大一番は平原－武田のシナリオを崩しても「どちらかが勝てるように」。この絆が、総力戦を打つ武田の番手を指名させた。

　シビアに練り上げた勝利の方程式だ。ライン３車の武田が、カマして前をたたき切る。別線の抵抗は、浅井のイン粘りも含めて想定内。今や輪界屈指の自在戦を駆使するパワーファイターの平原が番手でさばく。戦法多彩でしぶとい浅井もスピード断然の新田も平原なら食い止められる。

　準決でもそれを証明した。「足を使っても３番手を取る。落ちる気でいった」と落車覚悟で打鐘から逃げた脇本－金子の後位をゲットしてまくり一撃。前で駆ける武田も同じだ。「川村君の番手まくり、中川君のまくりに、かなり駆け引きをした」と５番手キープから最終３角まくり快勝。決勝は「なかなか楽しいレースだった。踏み出しも抜群だった」と自画自賛した武田に乗る。平原が番手で大仕事をこなしてゴール前勝負。３連単（９）＝（１）から総流し。