【山本幸史・ヤマを張れ】

◆12R

初日は理事長杯を制した清水、そして特選の松浦がともに次元の違う動きを見せた。タフなレースをした2人には、1日の休養は追い風だ。ただもう1人、レースを見ていてしびれた男がいた。地元木暮を狙いたい。

12日はバンク練習で体をほぐし「この後、のんびりできるし、こういうのもいいですね。中止も分かっていたこと」と頬を緩めた。「1戦1戦(が勝負)です。初日走ったことで、もっと良くなると思う」と静かに語っていた。

初日11Rは執念、そして紙一重で勝利をつかんだ。道中7番手の苦しい位置。まくり合戦で前団がもつれた最終3角過ぎに古性と渡辺一の間に猛然と突っ込むと、根田がわずかに外帯線を外した隙に最内を突き抜けていった。内側追い抜きの審議はセーフ。「地元だし、気持ちで走りました。これで失格だったら運がなかったかなと。このツキを生かしたい」。負けても2予回りの特選で、イチかバチかの大勝負。鬼気迫る走りを、もう1度期待したい。

流れ込みが多かった近況とは気配もひと味違う。初日も太田の番手は空いていた。宿口には「俺が前でやってもいいぞ」と言われたが、自らの力で活路を開いた。当初投入を予定していた新車も「結局、乗り慣れたものに戻した」。自らの立ち位置、戦法、そして自転車…。悩みを払拭(ふっしょく)し、貪欲に1着を狙う姿が戻ってきた。

年末のGPへ賞金が気になる松浦が付く清水は、おとこ気がある。逃げるのは中国勢。単騎の木暮は、この3番手が勝利への近道だ。3連単(4)=(5)-全の14点に(4)-(3)(9)(2)-(5)(3)(9)(2)(7)を加え計26点。