サマーナイトフェスティバルが始まる。前回のG1高松宮記念杯は脇本雄太の完勝で幕を閉じたが、地元の新田祐大や佐藤慎太郎が、どう対策を練ってきたのか興味深い。ダッシュ力やスピードで対抗できる選手が限られているだけに、新田の巻き返しに期待する。

初日7Rは伸び盛りの選手がそろい、面白いレースとなりそうだ。特に関東の森田優弥、鈴木竜士は粗削りだが将来性を感じる。そこに、7車立てで存在感がグッと増した河端朋之や、レース巧者の渡辺雄太が加わり興味が沸く。

鈴木竜士(左)を直撃するヤマコウ(撮影・栗田文人)
鈴木竜士(左)を直撃するヤマコウ(撮影・栗田文人)

レースは河端の前受けから始まるだろう。後ろに関東勢が続いて南関勢が後ろ攻め。残り2周過ぎに雄太が誘導員を切って森田を待ち、森田が打鐘で河端を迎え撃つ形になる。ここから森田、鈴木がどう対処するのか見ものだ。

せっかく宮記念杯でヨコの動きで売り出した鈴木だが、続く取手G3で平原康多の前を回り失敗に終わった。「自力を出さないと脚力が落ちる」というのが理由だが、それなら古性優作くらいの積極さが欲しかった。位置取りだけ意識して勝てるほどGクラスは甘くない。「戦法の幅が広がると、考えがまとまらなかった。やることを1つに絞る」と、取手の経験を経て得るものもあった。

森田もまさに今が伸び盛りだ。鈴木もグレードレースでキャリアを積んだ。そろそろ育てる立場に立っていい。森田を生かすも殺すも、鈴木のさばきにかかっている。(日刊スポーツ評論家)