初日は強風が吹き荒れ、共同インタビューでは誰もが風の強さを口にしていた。

特選12Rで1着を取った清水裕友は「周りのスピードも落ちるので風が強い方がいい」と、いつものネガティブな発言はなかったので、手応えがあったのではないか。

ヤマコウは本格化した鈴木庸之に狙いを定めた
ヤマコウは本格化した鈴木庸之に狙いを定めた

2日目は2予11Rの鈴木庸之を取り上げる。

1予9Rの鈴木は、前場所好走した稲毛健太や太田竜馬を相手に、どう走るか注目された。大方の予想は、稲毛や太田の4番手を取ってまくり勝負と思ったはずだ。

しかし、ふたを開けてみると、後ろ攻めから先行して2着。稲毛と太田が意識しすぎて2人からマークされず、マイペースで先行できたとはいえ、気持ちの切り替えは見事だった。初日の風は「ホームの突風で一気にスピードが5~6キロ落ちる感じ(松浦悠士談)」の中、勝負度胸が光った。

「山梨で強風の中、練習しているので、風が強くても苦にならなかった」と鈴木は練習の成果を強調するが本番で腹をくくれることが大事だ。

「稲毛の番手も考えたが、来なかったので先行が得策だと思った」と、彼の強みはたたかれてもさばけるところにある。内に包まれても自信があるので、巻き返す相手を引き付けることができる。しかも、彼は名前を見て飛び付いたりするのではなく、相手が格上でもひるむことなく戦う。

2予11Rでは新山響平の4番手を取ることがベストだが、番手に飛び付くことを考えているかもしれない。鈴木がどう走るのか注目したい。(日刊スポーツ評論家)