前検日の夕方、誰もいない駐車場の隅で、古性優作と清水裕友が座って話し込んでいた。軽く話しているだけなのに2人の姿には重みがある。そして私を見つけて「こんにちは!」と元気よくあいさつしてくれた。これが敷地外ならば、私は大親分に見えるのだろうか…と思いながら「頑張って」と声を掛けて、その場を後にした。

私が思う今節の優勝候補の1人が古性だ。前場所の広島F1も難なく優勝。G戦線でもヨコの動きは際立っている。そこに先行も辞さないレーススタイルが加わり、タイトルを狙える位置まで来たと思う。たまによく分からない初手の位置取りもあるが、高値安定と言えるだろう。

ヤマコウは古性優作の位置取りと戦い方に注目している
ヤマコウは古性優作の位置取りと戦い方に注目している

初戦が特選ということを考えると、自分の調子を見ておきたいという気持ちもあるだろう。しかし、基本は中団を取ってのまくりがベストだと思う。6日間の戦い(走るのは4日)で大事なのは、走りに一貫性があること。まくり狙いなのか、先行を狙っているのか、相手に悟られない利点はあるにせよ、威圧感が出せるのは位置取りに固執する古性だと思う。

このメンバーなら新山響平の3番手を取るラインが有利になるだろう。鈴木庸之、清水、中本匠栄がいて、容易に中団が取れる構成ではない。ベストは分からないが、やってはいけないレースは分かる。それは車番が外枠なので、1度動いて、さらに他の選手にたたかれて最終ホーム8番手になることだ。車番が良くない古性の戦い方に興味が湧く。(日刊スポーツ評論家)