1月8日、全国の競輪ファン注目の一戦があった。名古屋F1初日、(山口)拳矢の後ろに村上義弘、松岡健介が付くというのだ。
夕方、日刊スポーツ杉森記者から連絡が入り、そのことを知った。驚いて思わず大声を上げてしまった。拳矢が「村上さん付いてくれないかな…」と杉森記者に漏らしたところ、村上に伝えてくれたらしい。しばらく悩んで「拳矢の後ろ」とコメントを出した。健介も、一度は前を走る腹積りだったが、私や拳矢との関係性を重視して3番手を固めた。
現役時代「村上家が3人女の子なので、男3人の山口家と結婚したらおもろいなー」と冗談で話していたら、「絶対嫌です」といつも言っていた。そんなつながりから始まった拳矢と村上の関係が、まさかラインを組むまで発展するとは夢にも思わなかった。
113期を停学になり、117期でのデビューや、特昇した時など、村上は節目に必ず連絡をくれた。そして、その内容を教えるたび、拳矢はうれしそうに聞いていた。
思いをぶつける様に初日は2周突っ張り先行、番手の村上がブロックするなど、2人の情念が伝わるレースだった。準決も一緒になって、拳矢はまくりに構えてワンツーならず。続けて魂込めて走る事が出来なかったのは、拳矢の弱さが出たと思う。
レース後の反省会など勉強になったことも多いだろう。経験を肥やしにする事が大切だ。ただ、2日連続同じ番組にするのはどうか…とも思った。
今節、地元の森田優弥も参考になる先輩が多い。いろんな経験をして強くなってほしい。(日刊スポーツ評論家)