久留米G3中野カップレースは北津留翼の優勝で幕を閉じた。九州の若手3人が結束して、郡司浩平や渡辺一成、竹内雄作に対抗する姿は、九州黄金時代到来を感じさせるものだった。

その興奮が冷めやらぬ中、小松島G3が始まる。今節はエース松浦悠士に対して、成長株の真杉匠、太田竜馬を中心とした徳島勢がどう走るかが見どころだ。

ヤマコウは特選12Rの松浦悠士に注目

しかし、初日特選の太田は松浦の後ろを走る。松浦も太田には世話になっているので、地元でひと肌脱ごうという気持ちだろう。だが、S級S班なので、先手を取っておしまい…というレースは許されない。

近況の松浦は「調子は悪くない」が、勝ち切れないレースが続いている。以前は精密機械のように判断がさえていたが、最近は判断ミスも目立つ。

その象徴が、岸和田G1高松宮記念杯の最終日だった。町田太我が坂井洋に合わされたと判断して、自ら連結を外した。結果、単騎で町田が先行し、番手に坂井が入った。

私も経験あるが、誰もが少し余裕を持って次の動作に入りたい。しかし、自らの判断ミスで連結を外してしまうことほど、悔しく申し訳ない負け方はない。

小嶋敬二との連係がそうだった。浮いてしまいそうで浮かない小嶋の追走は難しかった。たくさん経験して、あうんの呼吸が取れるようになった。町田－松浦も、その過程だろう。

初日特選は太田の前を回る。「先行で勝てる選手になりたい」と言う松浦が、真杉に対してどう戦うのか注目したい。（日刊スポーツ評論家）