8回目のヤマコウカップを迎えることができた。今年は(山口)富生を筆頭に聖矢、拳矢もいて、気疲れしそうなメンバーとなったが、このようなあっせんをしてくれた関係者には感謝しかありません。全力で盛り上げます。


2回目の兄弟あっせんとなった山口拳矢(右)と聖矢
2回目の兄弟あっせんとなった山口拳矢(右)と聖矢

今節は拳矢が中心になる開催だが、急速に存在感を失っている。今年のG1日本選手権(ダービー)までなら、対戦相手やファンはどこまで強くなるのか興味があったことだろう。しかし、底が見えてきて関心をなくしたのが最大の要因だ。

プラス119、121期がデビューして、ファンの目が新しい強い選手に向いたこともある。殻を破ろうと踏み合って番手を狙ったり、中団にこだわる走りをしているが、一番、拳矢に必要なのは1周カマシだ。これができるようになると、打鐘からホームのピッチが上がり、まくりが決まりやすくなる。

そういう意味で、前回の玉野初日特選はいいレースだった。しかし、決勝は松岡辰泰-山田庸平を逃してまくり不発。どうせ駄目(5着)なら、ホームで仕掛けるべきだった。

拳矢は、昨年G2(岐阜共同通信社杯)を優勝して、GP争いに加わった時のような常勝を求められる存在ではなくなった。それなのに、いつまでも得意のまくりで勝負しようとしている。玉野F1決勝で九州勢を苦しめるレースをして、競輪祭のフリにしておくべきだった。

それができないのは戦略の欠如だ。突き抜けた脚力がない限り、何も考えず相手をねじ伏せるのは難しい。今節の走りで競輪祭の戦い方も見えるはず。シリーズの優勝も大事だが、特選12Rから考えた走りも非常に大切だ。(日刊スポーツ評論家)

※特選12Rに次男の山口拳矢が出走しているためヤマコウの予想印はありません。