ゴールデンレーサー賞は見どころが多かった。どのラインも、新山響平を後方に置こうとした。それは、新山が一番強いことの証しだった。

そして、清水裕友が意を決して先行策。番手の荒井崇博は「内をすくわれないように閉めてたら、清水が先行したので足を使った」と話すように、清水の先行は想像以上の強さだった。新山も「出るまでに足を使った」と話し、清水の調子はかなり戻っていると思った。

ヤマコウが準決9Rで本命に推す佐藤慎太郎
ヤマコウが準決9Rで本命に推す佐藤慎太郎

新山の3番手を回った佐藤慎太郎は、いつでも番手を回るという気持ちを持ち続けていると思う。それが、今の彼のモチベーションだろう。2日目特選の走りは、鋭く内を伸びて誰もが好調さを感じたが、ゴールデンレーサー賞の動きも悪くなかった。

打鐘で新山の内を狙う吉田拓矢が後ろにいたので、慎太郎はやや内を閉めて追走した。そこに、番手の守沢太志が外に自転車を持ち出したため、慎太郎は、下から新山のカマシに付いていく形になった。

ただでさえ新山に付いていくのは厳しいのに、内からのダッシュはさぞかし苦しかったと思う。最終ホームでやや車間が空いたもののバックでは追いついた。下からのダッシュであそこまで付け切るところに、今の慎太郎の強さがあると思った。

準決9Rは、新山がいて真杉匠もいる。残り2周からかなりのハイペースが予想される。

北日本は3車の強みに加え、3番手が義理堅い和田圭なので、慎太郎も安心して番手戦に打ち込めるだろう。武雄G3準決は新山を差せなかったが、遅めに抜きに行ったからで参考にならない。慎太郎の動きに注目する。(日刊スポーツ評論家)

【ヤマコウの印】◎佐藤慎太郎 ○新山響平 ▲真杉匠 ☆山田庸平 △和田圭

準決9Rメンバー 【周回】196 52 73 48
準決9Rメンバー 【周回】196 52 73 48