準決は迫力あるレースが続いた。印象に残ったのは10Rの北井佑季。脇本雄太を警戒しながら北井が突っ張る。それを全力でたたく脇本。その後ろは松谷秀幸と稲川翔がぶつかり合う。迫力満点のレースだった。

対照的に12Rは古性優作の技が光った。松井宏佑の番手を奪った動きは、急にスイッチが入ったようだった。最初から決めていたのか、それとも「まくれない」と思って内を突いたのか? 古性優作に話を聞いた。


ヤマコウは大会3連覇に王手をかけた古性優作を本命に推す
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「予想外の初手だったのでその時の雰囲気で決めた。別に決めていたのではないが、その時の空気感ですね。吸い込まれるように入っていきました」と、瞬時の判断だったようだ。

バックで先行する松井をまくろうとしたが「松井くんが強かった。でも番手から出なきゃダメですね。初日に比べたら乗り方を思い出して良くなった」と、感触は良くなってきたようだが浮かない顔だった。

私も番手は狙っていなかったと思う。最初から狙うなら、松井が押さえに来た時、郡司との車間が少し空いたので、そこで飛びつくと思うからだ。最初は引こうと思っていた。しかし、3番手の和田健太郎が通過する時に「やっぱり番手に行こう」となったのだろう。

ライオンが獲物を狙う時、気配を消して一瞬で仕留める。郡司は「来ない」と思って油断した時に古性に狩られた。

初手から全て勘で動く古性は誰も予測できない。北井が通過する時、古性はどう判断するのか。仕上がりは北井が一番なので、番手を奪っていることも十分あるだろう。(日刊スポーツ評論家)

【ヤマコウの印】◎古性優作 ○南修二 ▲郡司浩平 ☆清水裕友 △浅井康太