今回はフライング休み中の、女子レーサーのお話。3月、びわこG2レディースオールスター準優12R、遠藤エミ、平高奈菜、大山千広が3艇Fに散った。現在、大山が30日、平高は180日の休みを消化中。遠藤は5月28日から30日休みに入る。3人とも7月レディースチャンピオンには出場できない。今、何を思うのか。

 あの時、大山は行く気満々だった。「スタート行かないと勝てないと思った」。内2艇は明らかに格上。一発狙いが裏目に出た。地元の遠藤は予選トップ通過からの準優1枠。「地元だから勝たなきゃとか、そういう風に考えたくなかった。でも、思っているよりも気合が入ったのかな。いつも通り冷静でいられたら、落とせた…」。遠藤のFは14年8月三国レディースCP以来、3年8カ月ぶり。百戦錬磨の遠藤ですら、冷静さを欠いた。

 F2で臨んだ2枠平高は3本目を切った。「降りようと思ったら降りられたけど、ファン投票で選んでいただいたし、降りられなかった」。レース後は遠藤に同情の念を抱いたが周囲の視線が集中し「あ、かわいそうなのは私なんだ」と思ったという。何とも平高らしい。

 遠藤はこのFで、賞金レースでは後れを取る。「賞金を上積みできるところが、去年より減った。休み前も休み明けもしっかり自分のレースをする」。大山は、びわこ直後の下関でデビュー2度目の優勝。優勝戦は道中逆転だった。「(Fを)すごい反省した。スタートに頼らなくても、勝てるようにならないと」。母博美の言葉が温かい。「本当にまだ勉強中だから。無駄なことはないと思う」。そして、平高は「復帰したら修行じゃないけど、しばらくは4、5、6コースから頑張ろうと思っている」。振り返れば、あのFは“転機”となる1走かもしれない。三者三様、今後の走りに注目したい。

平高奈菜(18年3月5日撮影)
平高奈菜(18年3月5日撮影)