日本競輪学校(滝沢正光校長)の第107期生(男子34人)、108期生(女子15人)の卒業記念レース最終日が25日、静岡競輪場で行われた。女子は在校1位の尾崎睦(29=神奈川)が完全V、男子は新山響平(21=青森)が優勝した。男女ともに7月デビューが予定されている。

 4連勝の完全Vで卒記女王の座をつかんだ。加瀬加奈子、石井寛子、石井貴子と続く覇道を尾崎も受け継いだ。巧みな戦術と冷静なレース運びを遂行した。「三宅(玲奈)さんが仕掛けるのは分かっていた。S取りで後ろに付けられた。いくつか想定した中で一番おいしいパターン(笑い)」。打鐘後方から児玉碧衣が仕掛けて先行も想定内。児玉の番手に入った三宅が最終2角からまくると「後ろから踏まれる前に全開」と、一気に三宅の上をまくり上げた。「直線で後方をチェック、音でも後続が離れていることを確認した」と、心憎いまでの圧勝劇だった。

 小学校から大学までバレーボール一筋。大卒後はビーチバレーに転向して12年と13年のJBVツアーで年間総合王者に輝いた。ビーチバレーの大舞台で積んだ経験はレースの駆け引きにも生きている。ペアを組んだ金田洋世(29=神奈川)の106期(3期生)に入学が転機になった。「自転車競技の経験もなくて練習は苦しいけど、やった分だけ、自分に返ってくる」。徹底先行の奥井迪(33=東京)を目標に「夢はガールズGP制覇」。砂上の女王からバンクの女王へ、アスリート人生をかける。【大上悟】

 ◆尾崎睦(おざき・むつみ)1985年(昭60)4月10日、神奈川県平塚市出身。東京女子体育大卒。小学校からバレーボールを始め。大卒後はビーチバレーに転向、12、13年のJBVツアー年間総合1位。在校成績は71戦41勝、2着15回、3着6回、着外9回。200メートルFD12秒38、1キロTT1分14秒45。172センチ、65・2キロ。血液型A。家族は両親と兄、弟。