「秩父宮妃記念杯」優勝戦が行われ、中野次郎(34=東京)が逃げ切り、G2初制覇を飾った。

 進入は6枠の中村有裕が動きを見せたが、誰も譲らず、全艇スロー。中野がインからコンマ05のトップスタートを決めて、力強く押し切った。「ぶち込みました。全速です」。レース後は丁寧な口調の中に強い意思をのぞかせた。気迫に満ちた仕掛けだった。

 今節は6勝を挙げた。最近は一般戦でもこれほど成績はなかった。「足合わせではすごいわけじゃないけど、レースではすごく良かった。今後はこの感覚を大事にしたい」。今年は下半期に失速し、グランプリ出場を逃した。出力低減エンジンの調整に迷いがあったが、大きなヒントを得た。

 次走は住之江のGPシリーズ。現在、大阪市住之江区在住の中野にとって“地元戦”となる。「住之江のファンは本当に温かい。応援が力になります」。びわこで得た手応えを、待望のSG初制覇につなげる。【東 和弘】