16年MVP鈴木圭一郎(22=浜松)が、規格外の走りで史上初のSG4連続優勝を達成した。枠番選択で選んだ8枠から、圧巻の追い込みで快勝。8月のオートレースグランプリでグランドスラムを目指す。

 8周2角、Vロードが見えた。鈴木は一瞬で青山周平をさばいて先頭を奪う。「目の前の選手だけを見て走った」。ついに、だれもいなくなった。ゴールまでは危なげないレースぶりで、大記録達成だ。「騒がれてもいたし、すっきりしました」と本音がもれた。

 不利が常識の8枠から力強く追い上げた。過去10年のSG50レースで、8枠からのVは14年グランプリの永井大介だけ。レース前の選手紹介では「オートは甘くないぞ」との声がファンから飛んだ。それでも、「プレッシャーがなく自然に走れる」との選択を信じた。「4回のSGで一番いいレースができた」と実感を込めた。

 エンジンには自信があった。今年、最高の状態。10周回に備えた整備も成功した。「後半にたれないようにした」。優れた調整力には磨きがかかっている。「ロッカーで寝泊まりしたい」と真顔でいうバイク好きの仕上げが、大舞台で発揮された。

 今年は初優勝が18日の浜松一般戦。時間はかかったものの「負けてても勝ったときは倍になって喜べる。それが今」。SG連続優勝が4で止まるムードはない。【天野保彦】

 ◆鈴木圭一郎(すずき・けいいちろう)1994年(平6)11月30日、東京都生まれ。浜松所属の32期生。S級1位。13、14年に最優秀新人選手賞を受賞。SG優勝は全日本選抜、日本選手権、SS王座決定戦(16年)。通算優勝15回。1着214回。趣味は魚釣り、車。159センチ、51キロ。血液型A。