福岡ボートでG1「開設65周年記念競走 福岡チャンピオンカップ」が2日から6日間、開催される。桐生順平、石野貴之の昨年のSG覇者を、地元の岡崎恭裕、篠崎仁志らが迎え撃つ。現行エンジンは昨年7月の初降ろしから1年近く経過。今回の出場選手が、過去に駆った経験のあるエンジンを紹介する。前田将太が71号機の魅力を語った。
前田将太は乗った瞬間から、最高の手応えを感じ取っていた。71号機は7月13日初日の一般戦が初降ろしとなった。
「最初に乗って、いいエンジンだと思いました。新ペラなのに、ほとんど、たたかなかったですね」
その手応えが最高の結果につながった。1着を量産した。1着7回2着2回のオール2連対で優勝した。
「スタートの行き足が良かった。レースに行くと回り足も良かった。試運転では目立たなくても、レースでは最高でした」
前田が求めるのは、レース足だ。特に福岡で必要な足で、ぶれることはない。行き足と回り足には、相当のこだわりを見せる。
「福岡では足合わせは参考にならないと思う。展示タイムは気にしている。そこでスタートの行き足が分かりますからね」
展示タイムも連日、トップ3に入っていた。実力に加えて、エンジンも引き出したことで結果も出した。
その後、マスターズチャンピオン以後の低迷はありながらも、71号機は回り足を中心に◎が付くことが多かった。「いろんな選手がいい結果を残しているのも分かります。それぐらいレース足がいいということ」。実戦足が戻れば、復活は十分あるだろう。
G1タイトルにはまだ縁がない前田だが、地元のG1となれば力も入る。福岡県内3場で、福岡は最も結果を出している水面だ。通算優勝回数17回のうち、6回が福岡でのもの。全場で最多の優勝回数だ。
「G1を取るチャンスはあると思う。特に福岡なら取れてもいい。そのための準備はしていきたい」
最近の調子もいい。練習を繰り返すことで旋回の腕を磨き、SGオールスター(尼崎)で優出(4着)して結果に結びつけた。
「休みの日に練習して、ハンドルを切るタイミングを変えて、乗りやすくなった。レースでも乗れるようになっている」
今後も福岡周年を含むG1、SG戦線が続く。「一番いい状態で乗れている感じがする。結果を残せそうな気がしています」。心身ともに充実している2018年。前田は地元周年で念願の優勝を手に入れ、1つの殻を破るつもりだ。
◆前田将太(まえだ・しょうた)1988年(昭63)3月23日、福岡県生まれ。102期生として08年5月の芦屋タイトル戦でデビュー。09年12月の福岡一般戦で初優勝。同期に山田康二、遠藤エミ、河合佑樹らがいる。169センチ、55キロ。血液型A。