KEIRINグランプリとG1計4冠の鈴木誠(53=千葉)が9日、引退を発表した。地元松戸で13日に会見、同15日にセレモニーが行われる。85年のデビューから約33年バンクを駆け抜けた。鈴木は「引退を決めたのは2場所ぐらい前。ちょうど地元でサマーナイトフェスティバルがあるので、ファンの皆さんにごあいさつできるいい機会だと。思い出のレースは91年久留米の全日本選抜と05年松戸の日本選手権優勝ですね」と話した。

 直接の原因は左股関節痛だった。大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手で有名になったPRP注射を2度打つなど懸命に治療したが改善しなかった。鈴木は「医師には3、4カ月安静にしていれば良くなると言われたが、この年でそんなに休んだら選手として戻れないし、無理して練習しすぎました」。来年の松戸ダービー出走を目標にしてきたが、ついに力尽きた。

 中野浩一、滝沢正光氏などの後を受け継ぐ形で、輪界屈指の先行選手として活躍。ヨコにも強く、数々のビッグレースを制した。05年松戸日本選手権で当時の最高齢優勝(39歳)を記録するなど、追い込み選手としても光を放ち続けた。輪史に残る大スターの今後は未定だが、その軌跡は今後も語り続けられる。

 ◆鈴木誠(すずき・まこと)1965年(昭40)4月3日、千葉県生まれ。競輪学校55期生として85年5月デビュー。通算成績は3058戦665勝。91年KEIRINグランプリ優勝。G1・3回、G2・2回、G3・50回優勝。通算獲得賞金17億853万1755円。