令和になっても勢いは止まらない! 1枠の吉川元浩(46=兵庫)が逃げ切って、3月戸田クラシックに続くSG連続優勝を果たした。獲得賞金は9900万円を超え、6月の多摩川グラチャンでは、3連続SG優勝の偉業に挑戦する。

2カ月前と変わらない、冷静な吉川元浩がそこにはいた。先に回ることに集中した優勝戦。インからコンマ07の鋭い仕掛けを決めた。実に今節7本目となるゼロ台スタート。2コースの峰竜太がスリットでは1艇身後ろ。隣がいなければ、レーサーの性でアジャストしたくなる場面だが、自分との闘いに集中していた。

「隣を見たら放ってしまうかもしれないから見ていなかった。自分の勘を信じていた」。自信を持って突っ込んだスタートに、他艇はなすすべもなかった。1Mを回った後は、後続を一気に引き離す完勝だった。

「出来過ぎだと思います」。3月の戸田クラシックからのSG連続優勝を控えめに喜んだ。昨年の毒島誠以来、史上17度目の達成となった。複勝率46・0%の71号機の後押しが大きかったのは事実だが、良機のパワーをしっかり引き出した調整力が光った。

「伸びは優勝戦でも抜けていた」。王道の、予選トップからのSG制覇は初めて。それだけに「ゴールした瞬間は戸田の時よりうれしかった」と、場内を埋めたファンに何度も笑顔でガッツポーズを繰り返し、喜びを爆発させた。

今後はG1を転戦し、6月の多摩川グラチャンに臨む。ファンの興味は3連続SG優勝に集中するだろう。意気込みを問われると「とりあえず、抽選を頑張ります(笑い)」。平成、令和をまたにかけてSGを制した吉川が、00年西島義則以来の偉業に挑む。【東和弘】

◆吉川元浩(よしかわ・もとひろ)1972年(昭47)9月7日、兵庫県生まれ。建設会社勤務を経て、79期生として96年11月尼崎でデビュー。その初戦で初勝利。99年1月丸亀で初優勝。通算優勝85回。SG優勝は3回。G1優勝は18回。趣味は釣り。同期は岩崎正哉、山本寛久ら。164センチ、50キロ。血液型O。