ボートレース界で「戸田天皇」と称され、昭和から平成にかけて関東を代表するトップレーサーだった池上裕次(55=埼玉)が18日、現役を退いたことが分かった。17日付で選手登録消除申請を行った。4月26日の平和島での負傷が理由で引退を決意した。

86年5月に戸田でデビュー。その1走目に初勝利を飾ると、すぐに頭角を現した。89年からG1、SGを走り、91年の戸田35周年でG1初優勝。トップレーサーの仲間入りを果たした。00年の戸田ダービーでは、2M逆転でSG初優勝。G1優勝5回を含め、獲得タイトルのすべてが戸田で、地元で無類の強さを誇った。通算成績は7738戦1983勝、優勝60回。通算獲得賞金13億124万2686円。

池上は「体の右側をけがして3節欠場。骨折はないけど、足に張りもあり、しばらくボートに乗れないし、引退しようと決めました。一番の思い出は6コースからまくり差しで勝った戸田の記念、38周年かな。前の日からシミュレーションをして、思い通りの展開とレースだった。SGを勝ったことより印象に残ってます。戸田は特別でした。ファンもそうだし、オッズも見える。若いころから人気になってたから、それに応えないといけないと思っていた。プレッシャーも楽しかった。戸田さんには、いつか恩返しがしたい。本当にありがとうございました」とコメントした。