予選4Rの武藤嘉伸(53=埼玉)は、東京勢の3番手に食らい付き、3着で今年初の準決行きを決めた。「7車立ては俺が走ってきた競輪とは違う。スプリントレースみたいだし、ベテランのマーク屋にはきついですよ」。

競走得点は65点台に落ち込み、尻に火が付いている。しかし、息子の龍生(98期=S1班)の活躍が励みとなり、まだ闘志は消えていない。

龍生は今年5月、G1「日本選手権」の初出場が決定。父のかなえられなかった夢をかなえた。「顔は俺似だけど、性格は俺と違って優しい。よほど母親のしつけが良かったんでしょう。強くなってもオヤジであり師匠である俺のことを立ててくれる。だから、走れる限りは俺も頑張りたいですね」。準決5Rは、埼玉3番手で鉄の結束を見せる。