12R優勝戦は辻栄蔵(46=広島)が1周2M抜きで勝利。05年グランプリ以来、約16年ぶりのSG優勝を飾った。

簡単には勝たせてくれなかった。優勝戦は桐生順平以外、5人がグランプリ出場をかけた戦い。死にものぐるいで、1枠の辻栄蔵に襲いかかる。そのプレッシャーが辻のハンドルを微妙に狂わせた。1周1Mはターンが流れ、瓜生正義の差しが入った。「あ~差されたぁ~って感じでした」。ただ、逆転の目はまだあった。1周2Mは先行する瓜生に、最内から桐生が迫ってきた。「桐生君が見えたので、これはもしかしたらいい展開になると思った」。その願いが通じたか、瓜生が桐生をたたきにいく展開になり、ぽっかりと空いた内を鋭く差して逆転勝利。「すごく疲れました。でも、いい疲れですね」。激戦を終え、充実感をにじませた。

この優勝で獲得賞金は8位に浮上。16年以来のグランプリ出場を決めた。「そろそろグランプリのカッパがなくなってきたので、新しいカッパがもらえてうれしいです(笑い)。勢いは僕が一番だと思う。10月、11月とうなぎ上りなので、12月もいっちゃいましょう!」。ベテランと言われる年齢になったが、まだまだ老け込む歳ではない。円熟味が増した走りで、年末まで突き進む。