日刊スポーツ新聞社制定の「第36回日刊ボートレース三賞」の殊勲賞は、峰竜太(36=佐賀)が2年連続3度目の受賞を果たした。昨年は若松SGオールスターなど年間8度の優勝。業界表彰では7年連続の年間最高勝率選手に輝き、ボート界最強の実力を見せつけた。敢闘賞は、石川真二(51=福岡)が初受賞し、技能賞に、昨年末のGPを制した瓜生正義(45=福岡)が3度目の受賞。特別賞には女子初の24場制覇を達成し、年末のクイーンズクライマックスを制した田口節子(41=岡山)が3度目の受賞となった。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は行わない。

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峰竜太が2年連続、3度目の殊勲賞に輝いた。昨年は7年連続の年間最高勝率タイトルを獲得。SGはオールスター優勝を含む5度の優出を果たした。21年もボート界の中心は峰だった。

峰にとって昨年最大の喜びは、5月若松でのオールスター初制覇だ。13度目の出場で最も取りたいSGタイトルを手に入れた。5年連続のファン投票1位という圧倒的な支持に応えた。昨年のベストレースを聞くと、この大会を選んだ。

中でも予選最終日の一戦。勝てば予選トップ通過が決まるレースを、2コースから差して突き抜けた。「いいターンをしたとかいうわけではないけど、予選トップがかかるレースを勝てた。その結果ですね。かなり苦しかったけど、乗り越えられた。また成長できたと思った」という。ファン投票1位での優勝は06年戸田での山崎智也以来、3人目という快挙。プレッシャーをはねのけ、「ファン投票1位の優勝が少ない、その理由がちょっと分かった気がしました」と笑った。

「夢をかなえて終わった後はもぬけの殻になっていた」という。昨年末のSGグランプリ優勝戦では、1枠で妨害失格に終わり、3度目のGP制覇を逃した。「失ったファンもいると思う。取り戻していきたい」。もちろん、これが最後ではない。2度目のオールスター優勝、そして年末へ全力を尽くす。

人気テレビ番組の「相席食堂」にも出演。ここでは「4カドの峰」が話題を呼んだ。活躍の場は多方面に広がり、もうボートレースだけでは収まらない。ワイドな活躍でボートレースをPRする。

◆峰竜太(みね・りゅうた)1985年(昭60)3月30日、佐賀県唐津市生まれ。95期生として04年11月からつでデビュー。04年12月福岡で初勝利を挙げ、初優勝は05年11月からつ。G1優勝15度、SGは5度の優勝を誇る、現役最強レーサー。173センチ、51キロ、血液型B。

 

<ボートレース三賞とは>

日刊スポーツ新聞社が1986年に創設した。公営競技の三賞ではもっとも歴史があり、殊勲、敢闘、技能に特別(主に女子から選出)の4部門がある。

・殊勲賞 1節で優出した6選手にポイントを与える。17年までSG優出ポイントは8競走すべて同じだったが、18年から王者決定戦であるグランプリ優勝を100に。クラシック、オールスター、メモリアル、ダービーの4大競走Vを70にアップして集計。これらの合計点で決定する。

・敢闘賞 年間連対(1、2着)回数を争う。グレード競走、一般戦に関係なく、どのレースの連対も同じ価値とする。連対回数が同じ場合は1着回数の多い選手を優先する。

・技能賞 殊勲賞のようなポイント制ではなく、スタート力、ターン技術、ファンへのアピール度など選手の個性に着目する。

・特別賞 主に女子選手の優秀者を選出する。