深谷知博(34=静岡)が完璧な逃げを決め、G2初優勝を飾った。

予選トップから優勝戦1枠をつかみ、静岡県に初めて深紅の大優勝旗をもたらした。この優勝で、来年3月に平和島で行われるSGクラシックの出場権を獲得。2着には地元の白井英治、3着には瓜生正義が入った。

深谷は最後まで主役を譲らなかった。本番は進入で6枠白井英治が2コースまで入り162・345。100メートル付近からの深い起こしとなったが、コンマ12の好スタートから1Mを先取り、他艇の攻撃を封じた。

ウイニングランではファンの温かい声援に応えた。前検の段階では目立たなかった舟足を、入念なペラ調整で日増しに上向かせた。「うれしいです。(深めの)進入は想定していた。微妙な起こしだったけど、足がしっかりしていて、相棒が連れていってくれました」と、全国制覇に導いてくれた53号機に最敬礼した。

大会4年目にして、静岡県に初めて深紅の大優勝旗が渡る。「静岡を代表して恩返しができました。お客さんがたくさん入っていてうれしかったし、普段通り臨めたのが良かった。本当にありがとうございます。これからも1走1走がんばります」と目頭を熱くした。

この後は17日から尼崎SGオーシャンカップに出場する。G2初制覇を果たし、胸を張って甲子園球場のお膝元へ乗り込む。