日刊スポーツ新聞社制定「第37回ボートレース年間三賞」の受賞者が決まった。2連対回数が最多の敢闘賞は新開航(25=福岡)が初受賞した。今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は行わない。(データは、日本モーターボート競走会提供)

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新開航が初の敢闘賞に選ばれた。「ありがとうございます。うれしいです。勝つことができたし、多くの優勝ができた、本当にいい1年だったと思います」と喜びを表した。昨年、積み上げた1着は125度で2着は67度。業界表彰でも最多勝利選手に輝いた。

22年は、まさに飛躍の年となった。6月芦屋のG2モーターボート大賞を制するなど、優勝は10度。昨年末のグランプリシリーズでSG初出場も果たし、SG初1着もマークした。成績が伸びた要因はスタート力、調整力のアップだという。「一番はスタートが早くなったこと。タイミングだけでなく、質を意識するようになった。今までは遅いところで安定していたけど、1人でいいスタートを行ってまくっていくことが多くなったと思います。足が安定する調整ができてきた」。しっかりエンジンを出して攻めることで、結果もついてきた。

全国に名を売り、23年はさらなる活躍が期待される。「SGを走って、やっぱりこういうところで走りたいなと思いました。大きな舞台で活躍したいと思います」。SGは3月平和島のクラシックに出場。静かに闘志を燃やして、上へ上へと突き進む。

◆新開航(しんかい・わたる)1996年(平8)2月12日、福岡県生まれ。118期生として16年5月の芦屋でデビューし、同節に初1着をマーク。18年1月芦屋で初優勝。通算優勝は14度。22年12月大村グランプリシリーズでSG初出場。同期に栗城匠、板橋侑我、宮之原輝紀らがいる。165センチ、51キロ。血液型A。

◆敢闘賞・選考 例年、大みそかまで白熱のトップ争いが演じられるが、22年は違った。新開航が序盤から飛ばし、10月に入るとすぐに勝ち星は大台100に到達。この時点で後続を大きくリードした。2番手は例年と同じく入れ代わり立ち代わりの争いとなったが、新開のペースは落ちず逃げ切り。年間Vも10度まで伸ばし、逸材がそろう118期で、その素質を大きく開花させた1年となった。

◆選考委員 ▽東京 沢畠功二、中川純、窪寺伸行、木村重成、古村亮、湯田坂賢一、野島成浩 ▽西日本 吉富康雄、町田達彦、草川太郎、鎌田優、津波謙次、井筒靖明、山田敏明、浅田和則、神田成史、川尻将志、奈島宏樹、北條直治、東和弘、中嶋聡史、安井雅彦、栗原ひろ人、土居恒久、工藤浩伸、田中大樹、平田英治、前原一樹、迫信晴、山崎千郷、渕上知、中森亮、中牟田康、馬場勲、浦田由起夫

◆ボートレース三賞とは 日刊スポーツ新聞社が86年に創設した。公営競技の三賞ではもっとも歴史があり、殊勲、敢闘、技能に特別(主に女子から選出)の4部門がある。

殊勲賞 1節で優出した6選手にポイントを与える。17年までSG優出ポイントは8競走すべて同じだったが、18年から王者決定戦であるグランプリ優勝を100に。クラシック、オールスター、メモリアル、ダービーの4大競走Vを70にアップして集計。これらの合計点で決定する。

敢闘賞 年間連対(1、2着)回数を争う。グレード競走、一般戦に関係なく、どのレースの連対も同じ価値とする。連対回数が同じ場合は1着回数の多い選手を優先する。

技能賞 殊勲賞のようなポイント制ではなく、スタート力、ターン技術、ファンへのアピール度など選手の個性に着目する。

特別賞 主に女子選手の優秀者を選出する。