【山本幸史・ヤマを張れ スペシャル】

◆12R特選 王者となった脇本が、周囲の雑音を封じ、豪快まくりで勝つ。

直前の奈良G3を、腰痛のため2日目から欠場した。これをどう判断するか。「豊橋の準決から(腰の)痛みはあった。何とか乗り越えられると思ったが、限界を迎えたので…」。逃げ切り優勝の豊橋G3決勝、そして、奈良初日の走りにそんな不安は感じさせなかった。むしろ、痛みを抱えていたことが驚きだ。

直前までともに練習した弟の勇希によれば「和歌山合宿で、かなりハードにやった」という。脇本自身も「(直前の)練習は、まあ割と普通だった」と、声のトーンが上がった。となれば、もう不安はない。

この大会へのモチベーションも高い。先日行われた、日刊競輪三賞の受賞インタビューでは、自ら「グランドスラム達成」を明言した。残すは今大会と競輪祭。過去のG1優勝で、黒星スタートだったのはG1初制覇だった年の18年オールスターと寬仁親王牌だけだった。今年中の全冠制覇、つまり今大会での優勝となれば、まず初日は幸先良く白星をつかむはずだ。

特選12R、先行は8割方、新山だろう。清水がこの3番手を確保する流れになる。その清水は今年に入り、出し惜しみせず勝負に出ている印象。後ろを引き出すリスクよりも、自らが勝つための先まくりに出るとみた。この動きで隊列が短くなったところを、最後は脇本が7番手から強襲する。三谷は離れるというより、2着までに“間に合わない”イメージ。2着には清水と、新山の番手で展開が向く守沢を指名した。

3連単は(1)-(2)(3)-(2)(3)(4)(8)の計6点でまとめる。