史上最多5度の優勝を誇るブラジル(FIFAランキング6位)と、前回アフリカ勢初のベスト4に進んだモロッコ(同7位)の1次リーグ屈指の好カードは、ドローに終わった。日刊スポーツ評論家のセルジオ越後氏(80)は、王国ブラジルの衰退と新時代到来に複雑な思いも寄せた。
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他の優勝候補国と比べたら、ブラジルは明らかに落ち目だね。24年ぶり6度目の優勝? 厳しいよ。王国と呼ばれたけど、今や大穴の存在で優勝を狙う立場になった。イタリア人のアンチェロッティ監督を雇わないといけないほど、指導者も不足しているね。
試合の入りはモロッコが完全に上回った。先制点を奪われたブラジルは、ビニシウスの個人技で同点にし、互角の流れにしたけど、モロッコに暑さでプレスの限界がこなければ、どうなっただろう。好試合ではあったし、妥当な引き分けだったけどね。
会場にはロベルトカルロスやロナウド、カカといった、ブラジルの元スター選手が来ていた。その後継者といえば、ファンタジスタ系で破壊力のあるビニシウスぐらい。ネイマールもベンチを温める立場だからね。
ブラジルも選手個々はいい肉体を誇り、いわゆるアスリートなんだけど、いい意味で個性を失い、少しさみしい時代になった。今や携帯電話でゲームをするのが世界共通の遊び。時代は本当に変わったね。
僕はブラジルで生まれたけど、日本にきて53年。4年前に82歳で亡くなった王様ペレの時代の人間だから、今はフラットな立場でサッカーを見ているよ。でも、ブラジルに期待はしているけどね。
ブラジル、モロッコの2カ国はスコットランド、ハイチと楽な組に入ったから、間違いなく決勝トーナメントには2位以内で進む。F組の日本が1、2位で勝ち上がれば、どちらかとの対戦になる。日本にすれば、運動量のあるモロッコの方が嫌じゃないかな。いずれにしても、サッカーの祭典が始まった。7月の決勝まで楽しみな1カ月以上になるね。(日刊スポーツ評論家)



