W杯が初めて行われたのは91年11月。カナダ大会は7回目となる。当時はW杯と呼ばれずに、正式名称は「女子世界選手権」。

 中国・広州を中心に行われたが参加はわずか12カ国で、会期も2週間だった。アジア2位で出場した日本は、強豪同居の「死の組」でブラジル、スウェーデン、米国と対戦。細かいパス回しは見せたが、圧倒的なパワーの前に全敗に終わった。

 女子日本代表が初めて結成されてから10年。当時は「超マイナー競技」で、もちろんテレビ放送もなし。大会取材の日本人記者は4人だった。世界的な注目度も低く、海外からの記者もほとんどいなかった。観客も中国戦以外は数千人程度(公式記録では、なぜか日本戦はすべて1万4000人だったが)。国際サッカー連盟(FIFA)肝いりで始まった大会だが、24年前の女子サッカーは、まだ発展途上にあったのだ。