リオデジャネイロ五輪代表のMF大島僚太(23=川崎F)が痛恨の2失点に絡んだ。W杯最終予選の初戦で、日本代表史上初の国際Aマッチ初出場初先発。後半4分に豪快なミドルシュートでゴールを脅かすなど攻撃では持ち味を出したが、失点につながるミスを2度犯し「このチームで必要とされているのは守備。球際で負けているし、まだまだだと思った」と反省点を並べた。

 前半18分、ハーフウエーライン付近で出した横パスが弱く、右サイドバックのDF酒井宏に渡らず、失点につながったカウンター攻撃を食らった。後半7分にはペナルティーエリア内で3人掛かりでMFハマディを囲んだが、足をかけて倒したと見なされてPKを与えた。「PKの場面も僕と真司君(香川)が2人で行ったので、止めなければいけなかった」と悔やんだ。

 ハリルホジッチ監督は、大島について「もう少し期待していた。恥ずかしさを見せる場面があったが、このチョイスは自分の責任」とかばった。「取られ方が悪かった」と、猛省のDF吉田は、若きボランチの能力の高さを認めた上で「川崎(F)のようなゆっくりしたテンポでなく、強いパスでゲームをつくる配球をしてほしい」と求めた。

 ハリルホジッチ監督は「彼は伸ばすべきところもある。非難することはできないし勇気づける」と再びチャンスを与えると示唆した。「連係面で僕も思うところがあるので、しっかり話し合って擦り合わせたい」と話した大島は経験を糧に、はい上がる覚悟だ。【岩田千代巳】

 ◆大島僚太(おおしま・りょうた)1993年(平5)1月23日、静岡市清水区生まれ。静岡学園中-静岡学園高。高3時に全日本ユース4強。大学に進学しサッカーはやめるつもりだったが、練習参加を経て11年に川崎Fに加入。J1リーグ通算116試合5得点。14年仁川アジア大会ではU-21日本代表の主将を務めた。6月のキリン杯でA代表初招集。168センチ、64キロ。血液型AB。