ロシア行きを決めた日本代表が、ロシアの大都市カザニをベースキャンプ地の最有力候補にしていることが8月31日、分かった。首都モスクワの東800キロに位置し、12ある会場のうちの1つ、カザニ・アリーナがある。15年には水泳の世界選手権も開催された。

 日本協会は15年秋、本大会までまだ3年近くある中で調査に着手。スタッフを現地に派遣。絞り込みを進めてきた。7月2日までロシアで開催されたコンフェデレーションズ杯を視察した西野技術委員長とハリルホジッチ監督が、そろってカザニに滞在し、同会場でメキシコ-ロシア戦をチェック。西野委員長は市内の世界遺産を散策したことも明かすなど、実際に“2トップ”が街の空気を肌で感じ、好感触を得たようだ。

 ロシアリーグの強豪ルビンの本拠地。09-10年に欧州チャンピオンズリーグ初出場でバルセロナから金星を挙げるなど大物食いのイメージもあり、日本もあやかりたいところだ。近隣も含め受け入れ施設は複数あるが、ルビンのトップチームの施設などが実際の練習拠点となる可能性もありそう。広大なロシアで初のW杯。年内には前線基地を整え、大舞台に打って出る準備を進める。

 ◆カザニ ロシア連邦のタタールスタン共和国の首都。カザンともいわれる。ヴォルガ川のほとりで経済、産業がさかんな商工業都市。水上、陸上交通の要衝。飛行機でモスクワから約1時間、サンクトペテルブルクから約2時間。人口は約120万人。見どころは世界遺産のカザン・クレムリン。