日本代表のMF山口蛍(26=C大阪)が、W杯への道筋を照らすゴールを狙う。昨年10月6日のW杯アジア最終予選イラク戦では、引き分け濃厚の後半ロスタイムに劇的なゴールを決めた。6日のキリンチャレンジ杯ニュージーランド戦で得点すれば日本代表史上初の2度目のバースデー弾となる。2日、愛知・豊田市内で行われた合宿2日目練習は、停電の影響でグラウンドの照明が落ちるハプニングがあった。

 バンッという大きな音が鳴った瞬間、辺りが真っ暗になった。豊田市の練習場周辺の停電の影響で日本代表の練習は中断。激しい雨の中、いったんは車のライトを頼りにサッカーバレーの練習が再開されたが、約4分後には終了した。ハリルホジッチ監督が不満げな様子を見せる中、山口は「特に大丈夫だった」と涼しげな表情で引き揚げた。

 「蛍」の名前の通りW杯出場権獲得への道筋を照らした。昨年の26歳の誕生日はW杯アジア最終予選のイラク戦。劇的な勝ち越し点で、窮地に立たされていた日本を救った。あれから1年。6日の27歳の誕生日にW杯出場が決まって最初の国際親善試合を迎える。過去、日本代表では59年の渡辺正(立大)04年の宮本恒靖(G大阪)と山口がバースデー弾を挙げた。2度目となれば史上初。「いつも誕生日は代表期間なので、あんまり何も考えないですよ。今まで通りのプレーをやるだけ」とさらりと言ってのけた。

 今回はMF長谷部が招集されておらず、守備的MFで山口にかかる期待は大きい。W杯に向けて仕切り直しの一戦で「自分はやることをしっかりやっていればいい」。短い言葉に決意がにじんだ。【小杉舞】