日本サッカー協会は26日に都内で会見を開き、東京五輪世代に出場するU-21(21歳以下)日本代表「森保ジャパン」の初の公式戦となるU-23アジア選手権(中国)のメンバー23人を発表した。森保一監督(49)は短期決戦となる五輪に向けて複数ポジションをこなせる能力を重要視し、二刀流を歓迎した。チームは1月2日から合宿に入る。

 2学年上の相手と対戦する大会に向け、多くのメンバーが入れ替わった。このチームの最初の活動となった12月のタイ遠征メンバーは6人にとどまり、5月のU-20W杯韓国大会に参加した選手は半数近くの11人が選ばれた。森保監督は「多くの選手にコンセプトを浸透させたい」と意図を語った。

 二刀流、三刀流を歓迎する。指揮官は「五輪は選手18人、中2日で最大6試合。ケガや疲労での機能不全をなくすためにもいろんなオプションを持ちたい」と指摘。短期決戦を勝ち抜くには、複数ポジションをこなせる選手が必要となる。タイ遠征後にその旨を選手に伝えたことを明かした。所属クラブで長所を磨く中で「違うことができればさらなる成長につながる」と話し、代表で本職以外の持ち場をこなすことはチームの勝利だけでなく、成長過程である選手の可能性を広げるという信条も語った。

 ポジションごとの選出人数はタイ遠征とまったく同じ。森保監督の基本戦術である3-6-1を編成するためでもあるが、タイ遠征は複数の戦術を試している。本職がDFやFWの選手がMFで登録されていることからも、陣形やポジションにとらわれずに選手を起用する意図がうかがえる。「幅広く選手を見ながら、成果をあげたい」。急激な成長を遂げる選手も現れる世代。枠にはめずに若武者たちと向き合いながら進む。【岡崎悠利】