日本サッカー協会は26日、都内で理事会を開催し、次期日本代表監督に森保一氏(49)が就任することを決めた。

 A代表と五輪代表の監督兼任は、00年シドニー五輪と02年W杯日韓大会で結果を残したトルシエ氏以来となる。

 兼任はスケジュールも含め難しいミッションとなるが、本田、岡崎、長友ら北京五輪世代に頼りっぱなしだったA代表の世代交代は、これで一気に進む可能性がある。

 来年19年は、年明けにアジア杯UAE大会、夏には南米連盟から招待されて参加が内定している南米選手権と2つの大陸別選手権に出場できる。

 4年後のW杯カタール大会に向け、大舞台でチームを一気に強化できる。兼任メリットは、ここにもある。

 日本協会内では、既にアジア杯は海外組も含めた構成、南米選手権は東京五輪世代を軸にするプランがある。もちろん、指揮を執る森保氏の意向も大事だが、この大きな1年を、同じ指揮官のもと、同じ指針で強化できるのは、大きい。

 ただ、スケジュール調整は難しい。現状、年代別の代表チームは、A代表の活動の裏で強化プランを組んでいる。

 A代表と五輪代表だけ眺めても、次のような課題が浮かび上がる。

 W杯後のA代表は9月に始動し、10、11月と国内で2試合ずつ、計6試合の国際親善試合を戦う。

 これはFIFAの定めるインターナショナルウインドウという代表の活動期間で、協会や連盟に選手の拘束力がある。

 一方で、年代別代表には五輪がそうだったように、選手の招集について拘束力がない。所属クラブの理解を得た上で、呼ぶことができる選手だけで活動することになる。

 五輪代表(=U-21代表)は8月にジャカルタ・アジア大会に出場する。その後の活動は12月の海外遠征だったが、これを11月のUAE遠征に前倒しする案がある。

 このままだと、11月はA代表と五輪代表の活動期間が重なってしまう。

 森保氏に、最大限の力を発揮してもらうためには、日本協会がサポート体制も含め、日程面の調整など、しっかりとした強化スケジュールを組むことが急務となる。