なでしこジャパン(世界ランク6位)が4日、4カ国対抗での国際親善大会を戦った米国遠征から帰国した。

 大会では世界ランク1位の米国をはじめ、ブラジル(同7位)、オーストラリア(同8位)と対戦した。所属クラブの都合で招集できなかった守備の要のDF熊谷や、けがで離脱中の大黒柱のMF阪口夢ら主力数人を欠く中、3連敗を喫した。

 高倉麻子監督(50)は「3つ負けて、結果に関しては非常に悔しいですし、選手自身もふがいないところを感じている。でも、チームとして積み上げてきたことはみんなやろうとしてくれましたし、確実に積み上がっていることは感じたので、進み具合としては手ごたえがあった」と振り返った。

 自陣でのミスから失点するなど、3試合で8失点と安定した守備をみせることができなかった。慣れた左サイドバック(SB)ではなく、センターバック(CB)の位置で全3試合に出場したDF鮫島彩(31)は「結果だけ見たら情けない結果だと思います」と話したが、代表経験の浅い選手らとの連携を深めるなどポジティブな面もあった遠征だったと振り返り「(代表で)初めてのポジションをやる選手も、すごくポジティブにとらえてやっていた」と話した。

 選手はいったんそれぞれの所属クラブへと戻るが、またすぐに16日に初戦を迎えるジャカルタ・アジア大会へむけて再集合する。米国遠征では23人を招集したが、今回は18人までの登録となる。「ポジティブにとらえれば、限られたメンバーの中で成長していくチャンス。(現地の)状況は厳しいと聞いているので、どれだけ18人で結果を残せるかという大会になる」と話した。

 高倉監督も現地の環境面への心配を口にし「(現地での)過ごし方も工夫しないと。暑いでしょうし、食べ物もどうかなとか心配はある。病気にもなりたくないと思いますし、(選手に)コンディションは整えてきてほしいという話はしました。18人ですし、総力戦になる」。4月のアジア杯王者として臨むことには「今回、(アジア杯不参加の)DPR(北朝鮮)も参加しますし、その中で1位をとりたい。今回(米国遠征)は悔しい結果になったので、バネにしながら成長していければ」と意気込んだ。