【アルアイン(UAE)28日】日本代表の攻守の若武者が躍動した。守っては、5試合12得点だったイラン攻撃陣封じに成功。DF冨安健洋(20=シントトロイデン)が代表46試合で28得点だったFWサルダル・アズムン(24=ルビン)を体を張った守備で抑え込んだ。攻撃ではMF南野拓実(24=ザルツブルク)が3得点に絡んだ。後半15分にMF遠藤航(25=シントトロイデン)が負傷交代するアクシデントを乗り越え、5度目の優勝に王手をかけた。

 

イランへの大声援に囲まれても、日本代表は動じなかった。組織だった守備で、屈強な相手の攻撃を遮断。後半にFW大迫の2得点でリードを奪っても集中力を切らさない。猛攻を狙うイランをいなし、後半アディショナルタイムにMF原口が3点目でとどめを刺した。森保監督は「3-0という結果になったが、厳しい試合だった。選手たちが最初から戦う姿勢を示して、勇気を持ってプレーしてくれて勝利につながった」と、アジア勢との国際Aマッチ「公式戦」で39戦負けなしだった強敵からの白星を喜んだ。

指揮官期待の若手が攻守で光った。前半、相手はディフェンスラインの裏を狙ってボールを放り込んできたが、冨安がFWアズムンに立ちはだかった。188センチの長身を生かして空中戦でも力負けしない。終了間際にフラストレーションをためて小競り合いを起こさせるほど、相手エースに仕事をさせなかった。

攻撃では南野が今大会無失点だったイランの風穴をあけた。大迫の先制点の場面は、ペナルティーエリア付近で倒されたが、立ち上がってボールを追いかけ、大迫にピンポイントクロス。2点目のPKは左からのクロスが相手DFのハンドを誘った。

若い芽が、着実に育っている。森保監督は「まだまだ完成されたチームではなく未完成。成長しながら結果を出していこうということでやっているチーム」と我慢強く経験の浅い若手も起用し、苦戦しながらも勝利を重ねてきた。ボランチとして下支えしてきたMF遠藤の負傷交代があったものの、アジア杯は3試合連続完封勝利で6戦全勝。就任後11戦無敗の森保ジャパンが成熟度を深めながら、2大会ぶり5度目のアジアの頂点へと着実に近付いていく。【浜本卓也】