大胆かつ柔軟に、勝機とレベルアップの可能性を探った。日本代表森保一監督(50)は9カ月ぶりに代表に呼んだMF香川をベンチに置き、就任直後から主軸を任せた中島、南野、堂安で中盤を形成。1トップには初招集のFW鈴木を置いた。

後半20分、香川投入から積極的にタクトを振るった。香川をトップ下に据えて南野を1トップへ。「三銃士」と「背番号10」の初融合を果たすと、その後も堂安に替えて本来は中盤の左が主戦場の乾を投入。FW鎌田とDF安西の新顔もピッチに立たせた。PKによる1失点で惜敗したことで「世界の強豪相手に無失点で戦えるのは目標だが、なかなか難しい。得点できなかった試合ではなかったと思います」と悔しさをにじませつつ「いろんな選手を試すうえで勝利をつかみとれればと思っていますので、そういう意味では替わった選手がさらにギアを上げてくれて試合を進めてくれたのはよかったと思います」と、うなずいた。

6月の南米選手権だけでなく、さらにその先のワールドカップ(W杯)予選に向け、あらゆる選択肢で勝利と底上げを図る。昨年W杯ロシア大会で勝利した南米の強豪との再戦を前に、指揮官は「より戦術的なベースを選手に認識してもらい、今後のチームでのレベルアップにつなげていきたい」と「勝利」とともに「成長」を欲した。「アジア杯で主力として戦った選手が全ているわけではないので、ミックスして戦うことになる。チームとして経験値を上げて日本代表の選手層を厚くする、底上げするということをやっていければと思います」。方針通り、W杯ロシア大会組とアジア杯組をミックスした新生ジャパンで真っ向勝負を挑んでみせた。

勝利は逃した。ただ、FIFAランキング12位の強豪相手に臆さず、シュートは相手9本に対して16本と積極的にゴールを狙っていった。森保監督は「チャンスをつくれたが得点できなかった。ゼロで終わる試合ではなかったと思いますので、1点前半のうちに奪えればよかった」と反省しつつ「得点できなかった試合ではなかったと思いますので、1点を奪っていけるようなクオリティーをもって次の試合は戦っていこうと(選手に)話をしました」と顔を上げた。あらゆる組み合わせを模索しながら、この日に見いだした課題は26日のボリビア戦(ノエスタ)でクリアする。