サッカー日本代表MF久保建英(18=マジョルカ)の20年東京オリンピック(五輪)出場に向けた障害がクリアされていることが11日、分かった。

今夏に東京からスペイン1部の強豪レアル・マドリードに完全移籍する際、五輪本番での代表招集を了承されている模様。東京五輪は招集の拘束力がないため、久保の招集が可能となれば悲願の金メダル獲得への追い風となりそうだ。久保らミャンマー戦を終えた日本代表はこの日、ヤンゴンで解散した。

   ◇   ◇   ◇

地元日本で開催される五輪のピッチに、久保が立てる可能性が高まった。五輪は日本サッカー協会(JFA)による代表招集への拘束力がなく、前回の16年リオデジャネイロ五輪では得点源と目されたFW久保裕也(当時ヤングボーイズ)を呼ぶことができなかった。だが来年の東京五輪で主役となる久保については、関係者によると、今夏のRマドリード移籍の際にクラブ側から招集に前向きな回答を得ており、期限付き移籍先のマジョルカもその意向を踏襲している模様だ。

久保が五輪世代に加われるとなれば、金メダル獲得という目標達成に向け、これ以上ない“強化”となる。すでにA代表で5試合に出場し、10日のミャンマー戦では後半36分から途中出場。18歳98日でワールドカップ(W杯)予選のピッチに立ち、風間八宏(当時筑波大)が80年に記録した19歳67日のW杯予選での日本代表史上最年少出場記録を更新した。シュートこそなかったが、大雨後のピッチでもヒールパスなど高い技術を披露。金田喜稔の19歳119日という日本代表の国際Aマッチ最年少ゴール記録の更新も期待されるなど、A代表での存在感は高まってきている。

順調にいけば、攻撃陣の中心に太い柱が入ることになる。A代表でも主力のMF堂安、6月の南米選手権でウルグアイから2得点したMF三好らと、豪華な中盤を形成。五輪代表の攻撃力アップは計り知れない。

今後は所属先のマジョルカでの定位置確保が最優先になる。この日午前にミャンマーをたち、主戦場となるスペインへ。コンディション次第だが、13日の次戦ビルバオ戦(アウェー)に出場する可能性もある。試合後には「しっかり休んで、クラブでの活動が始まるので、この活動を言い訳にせず、しっかりと挑んでいければ」と頭をすでに次なる戦いへと切り替えていた。スペインでレギュラーをつかみ、東京五輪、そしてその先の22年W杯カタール大会へ。久保が挑戦を続けていく。

◆久保の五輪ロード 堂安や冨安と同様、今後もA代表を軸に選出され、五輪代表には来夏の大会前に合流するとみられる。今回、五輪世代のU-22日本代表はA代表の活動の裏で北中米へ遠征。一方で同世代の久保ら4人は飛び級でW杯予選に呼ばれ、より高いレベルに置かれた。10、11月と来年3月も活動は重なるが、原則はA代表。12月28日に行われるU-22代表の親善試合(長崎)と、来年1月にU-23代表が出場する同アジア選手権(タイ)にも久保は招集されない見通し。クラブとA代表で成長して東京五輪に向かう。