待望の約1年ぶりの日本代表活動で、ついに20年初ゴールが生まれた。終了間際、途中出場のDF植田直通がMF柴崎岳が蹴ったボールに豪快なダイビングヘッド。元鹿島アントラーズのホットライン。セットプレーから「もう残り限られた時間だったので、使命としては無失点に抑えることと、セットプレーがあったら得点を狙おうと思っていた」というDFがたくましさをみせ、モヤモヤを振り払った。

得点は後半46分だった。2試合連続無得点という消化不良の内容がちらつく状況だった。相手はアフリカの強豪、コートジボワール。開始から4日前、同じ会場で0-0で引き分けたカメルーン戦より躍動感はあった。そんな中、試合は進んでいった。

前半は先発起用されたMF久保建英のラストパスで好機も作った。ただ、久保は不発で後半16分にMF南野拓実と交代し、退いた。不発の久保は、期待された19歳131日での得点はならず、金田喜稔が1977年(昭52)に記録した19歳119日に次ぐ、日本代表史上2番目の年少ゴールとなる初得点は、またもお預け。そんなモヤモヤも、植田の国際Aマッチ12試合目での初得点が振り払った。

森保監督はカメルーン戦から7人先発を変更した。その上で、決定力不足を、直前の後半44分に投入したばかりのDFが解消した。同監督は「みんながチームのために団結して準備してくれたことが決勝点につながった。相手のコンディションも非常にいい中で無失点で抑えることができて、勝利をもぎ取ることができたのは大きな自信になる」と劇的勝利に興奮ぎみだった。

守備の安定も確認できた。体調不良で左サイドバック(SB)のDF長友佑都が不参加。追加招集はなく、不動の右SB、DF酒井宏樹は12日の練習で左足首を痛め、ベンチ入りしたが、ウオーミングアップには参加しなかった。それでも、左SBで起用されたMF登録の中山雄太と右SBのDF室屋成が、中央を固める吉田、冨安のセリエAでプレーする両DFと守備で踏ん張った。

コロナ禍の渡航制限などもあり、初のオール海外組での編成。時差もほとんどなく、移動の負担の少ない欧州での試合だった。何よりコロナ禍の中、各方面の協力があり、何とか国際親善試合の開催にこぎ着けた。それに、劇的な1-0勝利でこたえた。