ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のベトナム戦(11日)に臨む日本代表GK権田修一(32=清水エスパルス)が8日、現地でオンライン取材に応じた。

選手でベトナム入りしているのは、7日夕刻に成田空港から出発した権田、DF長友、MF柴崎、FW大迫、FW前田の5人。8日の練習は5人だけで行う予定だ。9月はホームでオマーン、10月はアウェーでサウジアラビアに連戦の初戦で敗れている。今回も全員がそろって練習する時間は短い中での戦いになる。権田はベトナムについて「機動力があって攻撃的」と分析し、選手個々が最高の準備をする必要性を説いた。権田の一問一答は以下の通り。

-移動の疲れは

権田 僕は今回、移動は楽だった部類なので。ホテルが空港から特別遠いわけではない。全然問題ないです。

-ベトナムとは19年アジア杯で対戦している。印象は

権田 サイズはそんなにないイメージだが、機動力だったり、僕自身、あの大会でこれまでのイメージと試合をやっての感覚が一番違ったチームだった。そこまで難しい試合にはならないかなと、見てる皆さんも今までのイメージであったと思いますが、僕自身もアジア杯もそうですし、ザッケローニ監督の時代に神戸でも対戦している。その時もすごく機動力があって、今後楽しみなチームだと思った記憶があって。その後にアジア杯でやったときに、規律を持っていて。昨日も空港着いたときに、現地のサポーターがすごく僕らの写真取りに来ていたり、国としてサッカーが人気なんだなと。ニュースでも見ますし、レベルが上がってきている国という印象。

-アジア最終予選でもベトナムは点を取っている

権田 僕らの試合もそうですけど、ベトナムの選手のタイプを考えたときに、90分守りきろうというチームではないのはイメージ出来ている。当然、攻められる回数が多いから失点もあるけど、逆に90分引いて1チャンスをというチームではないので。うちが攻撃を受ける回数も多くなるかもしれない。守備もやるけど攻撃に出てくるチーム。最初の立ち位置は5バック気味で後ろが重いけど、そこから前に出てくる推進力、エネルギッシュなところは、今大会でも感じるところはある。そこが得点を取っているのにつながっているのかなと。

-今回のW杯最終予選で初戦は3回目。9月、10月の経験を踏まえて生かせるところは

権田 おっしゃりたいのは、9月、10月負けてますよねということですよね(笑い)。初戦の難しさは9月の時点で感じていて、それを10月に入ったとき、難しいと分かって臨んだ中でも結果が出せなかった。これは、日程的に何かを変えることは出来なくて。現時点ではホテルに入っている人数は少なかったりとか。そこは、どうしようもないところ。それは日本のサッカーのレベルが上がって、欧州でプレーする選手が増えて、コロナの状況で欧州からベトナムにダイレクトに入れないとか。いろんなことを踏まえて、これは宿命というか、強くなる過程の中では宿命の部分。昨日から来ているメンバーは5人ですが、5人でも「初戦大事」という話はしていますし。僕ら5人だけでなく、今はベトナム戦でどうパフォーマンスするかをみんな全力で考えていると思う。チームもそうだが、コンディションの部分で最高の準備をして臨むのが大事だと思っている。

-アウェーでランクでは下の相手と戦うことに心がけること

権田 ランクが下のチームは、引いてカウンターを狙ってきたり、引き分けでもいい、1チャンスを生かすイメージはあるかもしれないが。アジア杯ではベトナムはそういうサッカーではない。僕らに対して攻めてくると思う。ブロックを引くことは当然やってくるが、0-0でOKのサッカーをやってくるようなチームではない。ランクではなく、僕らは最善の準備をして臨むことが大事。

-清水では残留争いをしている。代表の最終予選。厳しい状況が続いている。準備で気を付けていること

権田 シーズン終盤は、常にプレッシャーがかかる試合が続く。僕の場合は、残留争いをしているので。上を目指すプレッシャーではなく、落ちないように、ネガティブなプレッシャーがかかる状況かもしれないが、僕自身、シーズンの終盤にプレッシャーがかかった中でサッカーをするのは、常に、毎シーズンそういう状況。僕自身、代表戦含め、僕の中ではリーグ戦を入れたら5連戦になる。終盤での連戦はなかなかないこと。しっかりここに向けては常にイメージしていた。所属チームで結果が出てない状況の中で、自分がやらないといけないという気持ちになっていたときもありましたし、自分が何とかしなくてはという気持ちもあった。そういう時は得てしてうまくいかないなというのは、前回の代表から今回の代表までの期間で、特にFC東京戦ではものすごく感じた。まずは、ピッチ内外で自分自身が出来る最高の準備をして臨む。自分が急にうまくならないし、プレッシャーで急に下手になるわけではない。自分が普段やってきていることの質を上げて準備するのは大事だと思っています。

-日本代表での役割をどう考えているか

権田 僕自身、もともとサッカーを見るのが好きで。日本の各選手が欧州でどんなプレーをしているか、スカパーも入りましたし、いろんな所と契約して、極力、欧州の選手がどういうプレーをしているかチェックしている。そこで感じたことだったり、代表で求められることは違うにしても、日々の生活でやっているプレーは出やすいと僕は思っているので。そこを理解しながら要求するところと。逆に、代表で役割が変わるところがあったら、そこでしっかり伝えてあげる。今回に関しては初招集の選手もいる。前田選手と上田選手はコパアメリカは入っていたが今のメンバーは初めてだったりする。まずは、気持ちよくプレーできるような状況は、特に守備の部分でリスタートの確認は、ストレスにならないようにしっかり確認をしてあげたいなと。