日本代表はサウジアラビアを2-0で下し、B組2位をキープした。日刊スポーツの担当記者が日本代表戦について考える「Nikkan eye」は、左サイドバック(SB)の選手起用に焦点を当てる。

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スタンドにも響く雄叫びだった。「中山雄太、いけ、おらあ ! 」。後半23分、走りまくったDF長友佑都(35=東京)が、代わるDF中山雄太(24=ズウォレ)に送った一言。ものすごい強さで中山の両手をたたき、ピッチに送り出した。

今回の中国、サウジアラビア戦で注目が集まった左SB。中国戦では長友のパフォーマンスに批判が集まったが、森保監督はサウジアラビア戦でも先発を任せた。「中山でもおかしくない」。そう認めた上で、「(長友)佑都が無失点で流れを作ってくれて、経験の浅い選手が出ることは悪くない」と意図を語った。

交代枠は主に前線の選手に使うことが定石で、SBに使用する例は多くない。しかし現在はコロナ禍で、暫定的に交代枠が3から5に増えている。実際に森保監督は中国戦では5枠すべてを使って前線に4人、サウジアラビア戦では4枠を使って前線に3人を投入。あくまで攻撃の活性化をはかる交代を軸にしている。一方で、35歳の長友の後継者問題は長く日本代表の課題だった。そうしたチームの状況を鑑みた、交代枠の増加を生かした起用に映る。

5枠ルールが11月のW杯カタール大会まで継続されるかは未定で、プレミアリーグなどはすでに3枠に戻っている。国際サッカー評議会は5枠の定着を推奨する姿勢だ。いずれにせよ、W杯出場権を確保しながら選手層をさらに厚くするという狙いのもと、指揮官は二兎を追い、ものにするところまできている。【岡崎悠利】

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