【29日ドーハ＝佐藤成】サッカー日本代表（FIFAランキング17位）は31日、AFCアジアカップ（アジア杯）カタール大会の決勝トーナメント（T）1回戦でバーレーン代表（同86位）と対戦する。完全休養明けのチームは、当地でサイドから崩す攻撃中心のトレーニングなどを行った。

MF旗手怜央（26＝セルティック）が、川崎フロンターレ時代の同期MF三笘薫（26＝ブライトン）との共演を心待ちにした。

約40分公開された練習の中で、左足首の負傷の影響で合流が遅れていた三笘とペアを組みパス交換を行った。短い距離から徐々に遠ざかり、タッチラインからタッチラインの長さでさまざまな種類のキックを試し合った。「お互いに（相手が）いなかったので、普通に2人でやっただけです」。全体練習後にも2人で仲良くクールダウンでジョギングを共にしていた。

1次リーグ第3戦のインドネシア戦に初先発した旗手は、左のインサイドハーフとしてハイパフォーマンスを披露した。「自分の考えたプレーだったり、思っていたことというのが、ピッチで少し出せたのかなとは思います」と手応えを得た。

左サイドが定位置の三笘とは、近い距離でお互いの良さを引き出し合う関係だ。26日にフルメニューを消化したばかりの三笘が一発勝負の舞台で、いきなり先発する可能性は低いが、状態は上向き。バーレーン戦での復帰も現実味を帯びてきた。

2人は、関東大学リーグで1年時からしのぎを削り、大学選抜や旗手が主将を務めて優勝したユニバーシアード日本代表、同期入団の川崎Fで共闘した。旗手は「薫本人が戻ってくると、僕自身はうれしいですし、やはり一緒に試合に出たい、練習したいという思いはある」と歓迎した。そのためには、試合出場機会を得ることが必要になる。「（チームとして）彼が入ってどうこうというより、個人的にはやはり一緒にやりたいなという思いは強いです」と素直な思いを明かした。

ライバルであり盟友。そんな2人がA代表で国際大会に同時に出場すれば初。互いに川崎Fを経由して海を渡り、異なるクラブで技術を磨く。「いろろな違うサッカーやって、やはり考え方も変わってきている。ただその考え方を聞きつつ、意思疎通ができればいいなと思います」。ヘアカットで心機一転を図った旗手が相棒との共闘で、チームの攻撃を活性化させる。