【マナマ(バーレーン)10日=阿部健吾】MF宇佐美貴史(18=G大阪)がG大阪ジュニアユースの先輩CSKAモスクワMF本田圭佑(24)に倣い、中東をたたく。9日にクウェートA代表に0-3と完敗したU-22(22歳以下)日本代表はバーレーン市内で練習。前日は途中出場で決定機も作った宇佐美は、12日のU-22バーレーン代表戦で先発が確実となった。

 前日と同じくトップ下起用の場合に描くのは、優勝した1月アジア杯の日本代表で同ポジションに君臨した本田圭。抜群のキープ力で相手を引きつけ、空いたスペースにボールを供給し続けた。「自分も球はあまり取られない。持てると思うんで」と宇佐美。サイド展開へのタクトを振るう。

 前日のクウェート戦。チームは警戒していた個人技に苦しんだ。スピードに乗ったドリブルからサイドを崩され3失点。攻撃では中盤で激しいマークにつぶされ、タメを作れる選手がいなかった。6月のロンドン五輪2次予選で対戦の可能性がある中東勢。不安だけが募った。

 宇佐美は後半15分からトップ下で五輪代表デビュー。後半37分には4人に囲まれながら強烈なシュートを放ち、見せ場は作った。次戦へ「自分にしかないものをやれば、得点もアシストもついてくる」と誓う。前日の試合はブンデスリーガ・Bミュンヘンのスカウトが現地視察した。世界が注目する18歳に、負の印象のまま遠征を終える気はない。