優勝候補の市船橋がPK戦の末に散った。昨夏の高校総体の決勝と同じカードで、総体ではPK戦の末に東福岡に軍配。リベンジを胸に選手権に臨んだが、またもPKで負けた。

 80分通して数多くの好機をつくったのは市船橋だった。前半4分、MF工藤友暉(3年)のスルーパスに抜けだしたMF押尾大貴(3年)がフリーでシュートを打つも枠外。その後もサイド、中央を華麗なパスワークで切り裂きチャンスメーク。シュートも相手の7本に対し13本。得意のセットプレーでも、シュートがバーに弾かれる不運もあった。PKでは連日活躍したMF工藤、U-18日本代表の2年生DF杉岡大暉が相手GKにストップされた。相手の主将に「総体の時より強くなっていた。ボールが取れる気がしなかった」と言わしめたが、勝利の女神はほほ笑んでくれなかった。

 市船橋の朝岡隆蔵監督は「決めるべきところで決められなかった。夏からのトレーニングでやるべきことはやってきた。後悔はない。ただ残念です」と悔しさを吐露した。最後のPKキッカーとなった杉岡は「人生で一番緊張して、できれば蹴りたくなかった」と本音を漏らした。だが、来季は主将を務める決意を口にし「この悔しさを来年につなげたい」とキッパリ。敗れはしたが、今年の市船橋は間違いなく強かった。