湘南ベルマーレMF秋野央樹(22)が、16日の東京V戦で決めた今季初ゴール以来2戦ぶり、ホームでは2戦連発となる今季2点目を決めた。

 秋野は後半21分、この日先制ゴールを決めたFWジネイ(33)がゴール前でFW山田直輝のパスを受けたのを見ると、後方からジネイを追い越し、ペナルティーエリア右側に抜け出した。ジネイからのパスを受けると、角度のないところから左足を振り抜いて、GKの股を抜きゴール左隅に決めた。「クロスを上げようと思ったんですけど、誰もいなかった。確実性の高いシュートを決めました。股(抜き)しかないと思った」と振り返った。

 縦への推進力をアップさせることを軸に、プレーの幅を広げることを狙って今季、J1柏レイソルから期限付き移籍した。人が人を追い越す、湘南らしいゴールは、成長を証明するものだった。「量産態勢か?」と聞かれると「僕のゴールでチームが楽になる。心がけたいけれど競り合い、2列目に走ってきた選手について行くなど、守備では細かい課題が山ほどほどある。そこにフォーカスしてやりたい」と謙虚に語った。

 勝因について聞かれると、前節22日のモンテディオ山形戦に0-3で惨敗したことで、人が人を追い越す、湘南のサッカーの原点にチームが立ち返ったことを挙げた。「あれをしなくちゃ、とかではなく、敗戦してメンタルがボロボロになったところで、戻るところがあった。それが良かった。(自分のゴールも前に)リスクを冒して出なければいけないゴールだった」。湘南の神髄を骨身にしみ込ませ、秋野がさらに前進する。【村上幸将】