就任2年目に入ったトランプ米大統領に対する世界的な批判を懸念する声がサッカー界から上がっている。メキシコ、カナダとの3カ国共催を目指す2026年ワールドカップ(W杯)の招致委員会トップで米国サッカー協会会長のグラティ氏が、地元メディアによると「世界の米国への理解が難しい時期にある」と危機感をあらわにした。

 6月の国際サッカー連盟(FIFA)総会で決着する招致レースは、モロッコと一騎打ちの様相を呈す。有利とされる3カ国共催が勝利を確実とするには、54協会がFIFAに加盟する最大の票田、アフリカをどれだけ取り込めるかが鍵だ。トランプ氏がアフリカ諸国などを「汚らわしい国」と下品な言葉で侮辱したとされる問題は、最悪のタイミングで起こった。

 18日に行われた指導者会合で演説したグラティ氏は、トランプ政権がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことや、温暖化対策の枠組み「パリ協定」から離脱を宣言したことにも触れ「われわれはコントロールできない」と迷惑がった。メキシコ国境の壁建設問題も再燃し、招致委への逆風は強まるばかりだ。