ガンバ大阪のMF倉田秋(29)が今季初得点でホーム3連勝へ導いた。サガン鳥栖戦の後半23分、右サイド約20メートルから左足で豪快な先制シュートを決めた。この“号砲”を合図にチームは今季初の3得点。ワールドカップ(W杯)ロシア大会の代表入りを滑り込みで狙う倉田にとって好アピールとなった。6連敗の鳥栖と入れ替わって16位と順位を1つ上げた。

 倉田は信じて左足を振り抜いた。後半23分、右サイド約20メートル。ボールを奪って前を向く。仕掛けた瞬間、道筋が見えた。左足で放ったシュートは、左サイドネットに突き刺さった。今季11試合目での初得点に「遅すぎ」とダメ出ししつつ「これから得点もアシストも、増やしていきたい」とほっとした様子で笑った。

 昨季は8得点で日本代表にも2年ぶりに選出されたが、今季はここまで無得点。両足の精度を高めようと居残りのシュート練習を増やしてきた。この日は利き足ではない左足で決めた。

 「(シュートを)打つ数が増えて、染み付いてきた感じがする。打たないと入らないから、決めてやろうという気持ちだった」

 背番号10の復活にベンチメンバーも飛び出して喜んだ。W杯への夢もあきらめない。プロ1年目から3年間、G大阪で教えを受けた日本代表西野監督へアピールにもなった。「今はガンバを勝たせることだけしか考えていない。でも、W杯は行きたい大会」。昨年12月以来の代表復帰への強い思いも秘める。チームはホーム3連勝で自動降格圏から脱出した。とはいえ、倉田は「次、勝たないといけない」と気を引き締めた。【小杉舞】