J3参入2年目のアスルクラロ沼津は、最終節を白星で飾り、4位でシーズンを終えた。ブラウブリッツ秋田に2-0で快勝。ホームには今季2番目となる、5215人の観客が詰め掛け、多くのサポーターに歓喜を届けた。

リーグ最少29失点の守備が機能し、前半を0-0で折り返した。後半4分、MF普光院(ふこういん)誠(25)がエリア内で倒され、PKを獲得。これをFW青木翔大(28)が右足でゴール左下に沈め、先制した。ゴール裏のサポーターの元へ駆け寄り、喜びを分かち合った。「苦しい時も常に応援してくれた。感謝の気持ちで蹴りました」。同7分にはFW畑潤基(24)が、頭で追加点を挙げた。攻守がかみ合った今季最終戦について、吉田謙監督(48)は「1年間積み上げたものを出し切ってくれました」と振り返った。

参入初年度の昨年は3位で、2年連続でシーズン終盤まで優勝争いを演じた。だが、スタジアム要件を満たせず、来季のJ2昇格資格を持たない沼津にとって、優勝のみが目標だった。主将のMF菅井拓也(27)は「僕たちの力が足りないと感じました」と唇をかんだ。

ライセンス取得の道筋はまだ見えないが、来季もブレずに戦い抜く。「優勝を目指す。その上で(昇格圏内の)2位以内に入れば、状況が変わると信じてやるしかありません」と、菅井は決意を語った。今季もリーグ上位の実力を証明。夢の昇格に向け、全力で突き進む。【古地真隆】