J1ベガルタ仙台FWジャーメイン良(23)が3月2日のアウェー横浜F・マリノス戦で「マリノスキラー」ぶりを見せつける。2月28日、仙台市紫山サッカー場で行われた非公開練習では、今季初先発出場が予想される前線で調整を行った。ルーキーイヤーの昨季は公式戦通算8ゴールを挙げ大ブレーク。その半数の4得点は横浜から奪っている。相性の良さを見せつけたが、チームは2試合(リーグ戦)ともに大敗。年が替わった今度こそ、自身の一撃で勝利に導く。

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サッカー人生の、出発点だった。横浜について問われたジャーメインは「小3のとき横浜マリノスのスクールに入ってサッカーをやっていたので、大好きなチームでした。神奈川県のトレセンに選ばれたときも、当時のマリノスユースの選手と一緒にプレーしました。(自身が)生まれ育った厚木に比べたら、横浜は都会のイメージ。よく遊びにも行ったし、好きな街ですよ」と、親近感を隠さなかった。

ルーキーイヤーの昨季は公式戦8ゴールを挙げ、その半数4ゴールを横浜戦で奪った。相性の良さを指摘すると、表情が変わった。「リーグ戦の2得点は大量点で負けているときのゴール。チームが勝てなければ、いくら点を取っても何の意味もなくなる」(ジャーメイン)。勝負師の顔で、ストイックに言い切った。

現在、1トップの座をFWハモン・ロペス(29)と競い合っている。キャンプでは、昨年以上のパフォーマンスを発揮し結果を出してきた。「単純にゴールへ向かう意識が変わりました。今は余裕を持って常にゴールを見てプレーすることができている。自分の感覚で、ここでボールをもらったらシュートまで行けるというイメージはある。前でボールを受けたら気持ちを前面に出して勝負したい」と自信をみなぎらせる。

チームはリーグ戦トップ5、カップ戦タイトル奪取を目標に始動した。その中で渡辺晋監督(45)が、選手に求めているものの1つが、ビッグクラブに立ち向かう反骨心である。生まれ育った故郷が、アウェーに変わる舞台で「勝利につながるゴールを決めたい」と、有言実行に移す。【下田雄一】