磐田はホームで鹿島に1-1で引き分け、今季リーグ戦初勝利はまたしてもお預けとなった。0-0の後半1分、MF松本昌也(24)が今季初得点。

開幕から5試合目で待望の先制点を奪ったが、相手の猛攻に耐えきれず、同39分に同点ゴールを献上した。これで、開幕5戦未勝利(3分け2敗)となった。

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待望の瞬間は訪れなかった。磐田が1-0でリードして迎えた後半39分。鹿島MFレオ・シルバ(33)に中央へ切り込まれると、狙い澄ましたシュートでネットを揺らされた。ロスタイムの表示4分を含め、試合終了まで残り10分で許した痛恨の同点弾。見えかけていた「勝ち点3」を守りきることはできなかった。

DF新里亮(28)は「リードしてからの戦い方に未熟さを感じた。勝たないといけない試合だった」。今季、川崎Fから加入後初先発となったMF森谷賢太郎(30)も「結果がついてこなかったことが全て」と、肩を落とした。昨季アジア王者を相手に勝ち点1は得たが、これで5戦未勝利(3分け2敗)。選手は、健闘をたたえる拍手とブーイングが入り交じる本拠地で、雨にぬれた。

それでも後半1分、FW大久保嘉人(36)の華麗なオーバーヘッドパスからMF松本が今季1号を記録した。エースFW川又堅碁(29)を左足負傷で欠く中、今季初の先制に成功。森谷も「磐田デビュー」を果たすなど、収穫もあった。

4月6日の次節は、アウェーで湘南と対戦する。森谷は「勝利へ執着心を持って戦えるか。今日はそれを持って戦ったと思うし、切らさずにやるべき」。松本も「切り替えて勝ち点3を取れるように準備していく」と、言葉に力を込めた。引き分けの中で見えた初勝利の兆しを、必死につないでいくしかない。【前田和哉】